記憶術とは、記憶力を高めるためのテクニック(技術論)であるとご説明しました。
では、この「記憶力」とは、どういうものでしょうか?
ただ、単に、昔のことを覚えているとか、丸暗記の能力に優れているといったことを指している言葉ではありません。
たとえば、あなたはこういう経験がありませんか?
中学の体育の時間に、サッカーや水泳、バレーボールなどの競技を行った際に、その種目を専門に練習している運動部の人と、それ以外の人との身体能力の差が歴然と開いているということです。
中学生の部活動ですから、1年生の4月の末頃から初めて、毎日、放課後に校庭の片隅でいそいそと汗を流していただけなのに、半年もすれば、素人ではとても歯が立たないほどの上達ぶりをしていたりします。
それは、まさに、反復練習と日々の積み重ねの成果であるわけですが、こうした訓練の積み重ねによって、「体が覚えてしまった」結果、素人とは明らかに違う身体能力の差が、身についてしまったというわけです。
これは、記憶と記憶術の関係にも似ています。
記憶する能力は、人間の脳の大きさや機能にそれほど差が無いのと同様に、もともとは、個人差はほとんどありません。
ところが、何からのトレーニングを重ねることにより、記憶力は飛躍的に増大しますので、そうした訓練を行っていない人との差は、みるみるうちに開いていくわけです。
それには、適切な指導のもとに、正しいトレーニングを行う必要があるわけですが、そのトレーニングこそ、「記憶術」というわけです。
つまり、もともと人間に備わっている「記憶力」という能力を、飛躍的に向上させるのが、「記憶術」ですので、その選択には、細心の注意を払いたいものです。
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